錦鯉と水の波紋 具象性と抽象性が溶け合うアートなデザイン
まるで着物をまとっているかのように、色鮮やかな色彩を放ち、池の中を優雅に泳ぐ錦鯉。日本の錦鯉は「泳ぐ宝石」とも呼ばれ、近年世界中から注目を集めています。
また、「鯉」立身出世の象徴、「錦」は美しいもの立派なものを表し「錦を飾る」という言葉は成功して故郷に帰るという意味があるように、「錦鯉」は縁起の良いモチーフでもあります。
そんな世界の人々の心を惹きつけてやまない縁起物の「錦鯉」をテーマに、スーツケースをデザインしました。
コンセプトは、インバウンド、海外ツーリストの方々のお土産。立身出世を表す縁起物としてお祝いの贈り物。デイリーユース、ビジネスユースに使っていただけるスーツケース。
制作にあたり目指したのは、錦鯉がお好きな方だけでなく、どなたにも手にとっていただけるデザイン。
穏やかな水の波紋、曲線を描きながらゆったり泳ぐ錦鯉の姿は、いつまでも見ていたいほど優雅で、見飽きることのない美しさ。そんな日本庭園の情景を思い浮かべながら見飽きない柄を目指して描きました。
色と模様が織りなす独創的な模様の中に「錦鯉」が泳ぐ構図は、日本の奥ゆかしさと雅な雰囲気、トリックアートからのインスピレーションを元にしています。
配色は、日本らしい色表現を意識しながら同系色で上品に仕上げました。
和紅 Japan Red
海外の人々による日本のイメージカラーは、1位が赤、2位が白。「白」に関しては都市の清潔さや美白文化からの連想とも言われ、「赤」は太陽や火という人間にとって欠かすことのできない生命の源の色、神聖な色でもあります。また歌舞伎の隈取(くまどり)では勇気・正義・強さを持った役に使われています。日本のイメージカラージャパンレッド、錦鯉スーツケースの代表色です。
【 侍藍 Samrai Blue 】
「出藍の誉れ(しゅつらんのほまれ)」「青は藍より出でて藍より青し」ということわざがあります。これらは共に弟子が師匠の能力や技量・知識を追い越し、優れている様を表現しています。サムライブルーの藍色は、カラー分類としてはインディゴブルーと同色。またの名を「褐色(かちいろ)」と言い「勝ち色」とも書くことから、鎌倉時代の武士が縁起物として好んで着た日本の伝統色です。
【 桜桃 Sakura Pink 】
日本の春、晴れの門出を彩る「桜」。満開の見事さもさることながら、あっという間に散ってしまうはかなさ、そして散り際も美しい桜は、古来より人々に愛され、海外からも「日本=桜」という印象を持たれています。花言葉は「優美な女性」「精神の美」。そんな日本の美を象徴する「桜」を、「藤」の花の色と組み合わせ、うららかな春をイメージしてデザインしました。
日本が生み出した、一匹として同じ模様のない泳ぐ宝石「錦鯉」
旅する「錦鯉」スーツケースが、それぞれの地で日本文化を知ってくれるきっかけになればと願っています。
Design Michie Tanaka
/ 2015年〜 Miyabi. Connect Japan 株式会社
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